中小企業診断士として、ヘルスケア研究会から得た3つの気づき
―「場づくり」と「構造化」が未来をつくる―
先日、ケアビジネス研究会の定例会に参加しました。今回は、私が中小企業診断士として特に心に残った「3つの気づき」を共有します。
「売る」よりも「体験させる」時代へ
― Slow & Steady の挑戦 ―

グラングリーン大阪南館にあるSlow & Steadyは、「好奇心をきっかけに健康を意識できる場所」をコンセプトにした体験型ヘルスケア施設です。
🔎 特徴的だったポイント
- ヘルスケア製品の体験型ショールーム
- ヨガ・研修・企業セミナーも可能なスタジオ機能
- 個室でのメンタルケア・測定実証実験
- スタッフによる行動観察+ユーザーボイス収集
- AIカメラによる来場者分析
つまりここは、「販売の場」ではなく「仮説検証の場」なのです。
🧠 診断士としての気づき
多くの中小企業は、
- 良い製品を作る
- ホームページを整える
- 広告を打つ
ところまでは行います。
しかし、「実際に顧客はどう感じたのか?」を構造的に取得している企業は少ない。
Slow & Steadyは“インサイトを取る仕組み”を売っている のだと感じました。
価格競争力だけでは持続しない
― ウィルコーポレーション の事例 ―

後半では、姫路市を拠点に
「年金内で住める住宅(月額約10万円)」を展開する企業分析が発表されました。
🌟 強み
• 建築〜運営まで一貫体制
• 圧倒的コスト競争力
• 高齢単身者増加という追い風
しかし同時に、
⚠️ 課題
• 急成長に伴う組織体制の未整備
• 暗黙知への依存
• 人材育成と評価制度の不十分さ
• 規制強化リスク
🧠 診断士としての気づき
多くの中小企業は「ビジネスモデルは強い」しかし「組織モデルが弱い」
急成長企業ほど、
• 評価制度
• ナレッジ共有
• 標準化
• 経営理念の浸透
が後回しになりがちです。
価格競争力は強みですが、持続性は組織力で決まる と改めて感じました。
ヘルスケア分野での診断士の役割
今回の研究会で強く感じたのは、医療・介護の“内側”だけでは限界があるということ。
これからは
• 異業種連携
• 実証実験の場づくり
• 健康経営支援
• データ活用支援
• 国への政策提言
といった“横断的なハブ役”が必要になります。診断士はまさにそこに立てる存在です。
私自身の問い
私は中小企業診断士として、
• 企業の暗黙知を形式知にする
• 成長企業の組織基盤を整える
• 実証実験・社会実装の設計を支援する
そんな役割を担っていきたいと感じました。
単なる分析者ではなく、「場をつくる支援者」でありたい。
まとめ
今回の研究会から得た3つの学び:
- 体験とインサイトの仕組み化が価値になる
- 価格競争力より組織基盤が持続性を決める
- 診断士は“横断的ハブ”として社会実装を支援できる
ヘルスケア分野は、高齢化が進む日本において避けて通れないテーマです。
だからこそ、診断士の関与余地は大きい。
これからも現場での気づきを発信していきたいと思います。

