11月7日(金)に診断士シンポジウム大阪2025に参加しました。
オープニングとして、大阪府中小企業診断士協会 津田敏夫会長が講演されましたので、気づきなどを共有したいと思います。
はじまり
AIが見抜いた「会社を立て直せる経営者」の条件
──財務だけでは測れない“社長力”とは?
中小企業の経営において、「誰が社長であるか」ほど会社の命運を左右するものはありません。
資金繰りが厳しくなったり、環境が激変したりする中で、
同じような状況でも 立て直す会社と破綻する会社に分かれるのはなぜか?
その問いに対し、先日の「診断士シンポジウム大阪2025」では、
大阪府中小企業診断士協会・津田会長が非常に興味深い研究成果を紹介されました。
■ AIに“社長の人物評価”をさせたら、再生確率が読めた
津田会長の研究は、
「社長の人柄・行動特性をAIで数値化し、企業再生の成否を予測できないか」
という大胆なテーマから始まりました。
実際、銀行や金融機関で再生支援に関わった方ほど、
「この社長なら立て直せる」「この社長は危ない」という直感を持っています。
その“経験知”をAIで可視化しようとしたわけです。
●100社の再生事例を分析
成功・破綻のバランスが取れるように100社を抽出し、AI(ChatGPT)に対して
社長の人物情報を点数化させたところ、点数が高いほど再生確率が高く、
低いほど破綻確率が高いという、美しいロジスティック回帰曲線が現れました。
つまり、「社長のあり方」は財務以上に会社の未来を左右していたということです。
■ では、“立て直せる社長”とはどんな人物なのか?
① 誠実で、粉飾をしない
粉飾が“意図的”である企業は、再生確率がほぼゼロだったとのこと。
信頼を失った企業に、金融機関は二度手を差し伸べません。
② 外部支援を素直に受け入れる
再生とは「社長が変わるプロセス」でもあります。
外部の専門家や金融機関の助言に耳を傾け、
自分の非を認め、行動を変える柔軟さがあるかどうかが結果を大きく左右します。
③ 真摯に現場を理解し、逃げない
うまくいかない理由を外部環境だけのせいにせず、自社の課題と正面から向き合う姿勢が不可欠。
長期的視点で経営を考えられる。短期の延命に走るのではなく、
事業の本質や未来の構造変化を見据える社長は強い。
■ “社長自身をアップデートすること”が最大の再生策
研究から見えてきたのは、「社長が変われば会社が変わる」という圧倒的な事実です。
財務・事業構造・組織課題など、企業の問題は多岐にわたりますが、
結局のところ再生のスタート地点は、「社長が、変わる覚悟を持てるか」この一点に尽きます。
AIが導いたのは、ある意味で非常にシンプルな真理でした。
■ 最後に
津田会長の講演を聞きながら、改めて確信したことがあります。
それは、診断士の最大の役割は、“社長の気づき”を引き出すことにある。ということです。
財務分析も、事業計画策定も、補助金支援も、
すべては社長自身が「変わる決意」をしたときに初めて生かされます。
また、会社が今どんな状況であっても、まずは次の自問自答をされることをおすすめします。
私は、素直に支援を受け入れているか?
自社の現実を正しく見ているか?
短期の延命ではなく、未来の構造変化を見据えているか?
私が変われば、会社も変わると信じているか?
ひとつでも「ドキッ」とする項目があれば、
それは会社が変わるサインかもしれません。


